昨日の札幌競馬第3レースを
ダートに近い内馬場から観戦していました。
スタート直後とゴール直前を
目の前で見ることが出来る絶好の場所です。
ゴール直前に一団の中の一頭の馬が故障したらしく、
目の前で馬が減速して騎手が落馬しました。
本当に目の前の出来事で、言葉もありません。
騎手のいない馬がゴール方向へ。
そして、目の前のダートには
うずくまってピクリともしない騎手が横たわっています。
しばらくすると、
救急車が到着し、騎手を担架に乗せて運び去り、
非情にも見える馬運車が到着しました。
立ったままじっとしている馬を囲んで
厩務員さんやJRAの職員さんらしき人や
獣医さんなどが次々と集まってきて
馬を中心に人だかりができています。
スタンドから直接馬が見えないように
目隠し用のシートが広げられましたが、
スタンド方向だけ見えないようにしているので、
内馬場から見ている僕たちからは
何も遮るものがないのでよく見えるのです。
獣医さんらしき人が
立ったままじっと動かない馬の首の付根あたりに
注射を打ちました。
すると、
たちまち馬が足元から崩れ落ちて
横たわったままピクリともしません。
そして
足にロープが結ばれて馬運車の中へと
ウインチのようなモーターで
ゆっくりと引かれていきました。
馬を取り囲んでいる人たちは
皆、悲痛な表情です。
ボクの隣で見ていたヨメは
涙を流しながら状況を見守っています。
走り去っていく馬運車にむかってヨメは
何度も「今までありがとう~」と
大きな声で、
馬に届くような声で、
お礼を叫んでいました。
自分の馬房から出て
そんなに時間が経っていないのに
もう自分の馬房に戻ることがないなんて
誰にも予想ができないと思うのです。
受け止められない現実も
人によってはあると思うのです。
どの馬にも
夢を託した人がいるのではないでしょうか。
現実には厳しいものもあります。
楽しい、嬉しいだけが人生ではないですよね。
馬の世界では特に。
厳しさや悲しさ、辛い現実があったとしても
明日に希望を持てるような
人生はこれから と、思えるような
人や馬との出会いを大切にしたいと
あらためて考えています。
ありがとう、ゼットディーン。
僕たち夫婦は君のことは忘れません。
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